ジュゼッペ ランディ

1950年イタリア、トスカーナ州リヴォルノLivorno市に生まれ 現在も当地に家族と共に在住、この海沿いの町リヴォルノを中心に絵画制作に励んでいる。


10代から画家になる決意を決め、数多くのイタリアの名作に接しながら自力で画家としての修行を積む。特に1800
年代の後半 フィレンツェ及びリヴォルノ市を中心に活躍したマッキア派(Macchiaiuli)の作品に感銘を受け、強い影響をうける。


マッキア派の作品群は 大自然と共に 彼のインスピレーションの源となっている。

ファットーリ、スィニョリーニ、アッバーティ、カビアンカらに代表されるマッキア派は1800年代イタリアの代表的画家グループで、フランスの印象派と時を同じくして 屋外の自然光の中で制作活動をすることによって より新鮮味あふれたイタリア風景絵画を実現した。


ランディの住むリヴォルノ市は ルネッサンス芸術の発祥の地として知られるフィレンツェ市から約
1時間15分、ロマネスク芸術の一大中心地だったピサ市から およそ10分でたどり着く。16世紀以降Medici家によって港として整備され、現在もイタリア国内の四大港の一つとして名高い。このトスカーナ沿岸は 温暖で美しい海岸線が広がり、春はジャスミン、アーモンド、あんずなどの花が生い茂り、夏はブーゲンビリアがおとずれる人々の目を楽しませてくれる。


ランディは基本的に写生を愛する作家だ。 変化に富む屋外の光線の中で対象の生きた表情を画布に実現してゆくする。

メディチ家が構築した要塞が向こうに見える「ポンティーノ」(小さな橋)、四季折々の花が咲く公園、ごつごつした岩越しに見える地中海などは 彼が特に好んで描く風景だが一作一作に季節感がただよう。

自然光がおりなす微妙な空気との戯れが 鑑賞する側に伝わってくる作家として イタリアにもファンが多い。